1. アイドリングストップ車とは
1) アイドリングストップ車はどうしてバッテリーにとって厳しい使用環境なのか?
アイドリングストップ車とは、信号待ちなどで停車する際にエンジンを自動的に休止し、発進する際に自動的にエンジンを再始動する車両のことです。アイドリングストップによる燃費改善効果が得られるため、自動車メーカーの幅広い車種で採用が進んでいます。
一方で、エンジン停止・始動が頻繁に繰り返されるアイドリングストップ車のバッテリーは非常に過酷な使用状況となります。
走行時 | 停止(アイドリングストップ)時 | エンジン再始動時 |
---|---|---|
通常のクルマと同じく |
エンジン停止時はバッテリーから |
エンジンを始動するためにバッテリーからスターターに大電流を供給します。 |
アイドリングストップ時には、バッテリーからエアコン・カーナビなどへ電力供給をし、
また何度もエンジン始動(その都度、大電流を放電)するので、アイドリングストップ車のバッテリーには高い耐久性が求められています。
また、限られた走行時間の中で放電状態から素早く回復する必要があるので、クイックチャージ性能の高さも求められています。
従来のエンジン始動用バッテリーと区別するため、電池工業会規格により新たな型式表示が規定されました。
アイドリングストップ車にはアイドリングストップ車に対応するバッテリーが必要です。
※アイドリングストップ車に通常車用バッテリーを搭載した場合、アイドリングストップシステムが正常に作動しなくなったり、燃費性能の悪化やバッテリーの短寿命にもつながる場合があります。また製品補償の対象外になります。
2. 充電制御車とは
走行状況や車両・バッテリーの状態によって、オルタネータ(車両に搭載されている発電機)の発電をできるだけ短時間に制御するシステムを搭載し、エンジンの負荷を軽減して燃費向上を図る車両のことです。
このようなステッカーが貼ってあり、車検証の車両型式が「CBA」「DBA」で始まっていれば充電制御車の可能性が高いです。
充電制御車には短時間でより多く充電(クイックチャージ)できるバッテリーが求められています。
同じ充電時間でも
通常の標準バッテリー
クイックチャージ性能に優れたバッテリー
もし充電制御車に通常のバッテリーを搭載すると回生充電だけでは足りず、加速中のオルタネータの発電時間が長くなるので、車両の燃費性能を十分に発揮できません。また、充電が回復しない為、放電気味で使用され続けることで、バッテリー上がりや内部劣化による寿命など、バッテリートラブルを起こす可能性があります。
3. ハイブリッド車の補機用バッテリーの役割
ハイブリッド車には2種類のバッテリーが搭載されています。
駆動用メインバッテリーはリチウムイオン電池やニッケル水素電池など、モーター駆動やエンジン始動の役割をするバッテリーです。
12Vの補機用バッテリーはハイブリッドシステムを起動するための電源として、また、駐車中のバックアップメモリーを担う、無くてはならないパーツです。
もしも補機用バッテリーがあがってしまうとハイブリッドシステムが起動できず車を動かすことが出来ません。